今週の一冊
「不揃いの木を組む」
現代の名工である小川三夫氏の至極の一冊。
斑鳩(いかるが)の宮大工・西岡常一の唯一の内弟子として認められた小川氏。
薬師寺復興工事や法輪寺三重塔再建工事などを手掛けられ、その後宮大工になりたいという若者たちをじっくり育てる場所として【鵤工舎】を設立。
「木のクセを読み、活かす」ということは
人の育て方にも通じるところがある。など宮大工の第一人者がものづくりを通じて人を育てる極意を言葉にした一冊。
ピックアップフレーズ
・材料が大量で大きく圧倒される。
工期も長いのがこれぐらいほプレッシャーに
負けてはダメ。
精神力の強さは必要。
これはものづくりへの執念といっていいかもしれない。
・技術力と芸術性
ほんのわずかな狂いでも
積み重ねれば大きな狂いになる
狂ったものは狂ったように
上手く組み上げていけはいい。
・建物は少なくとも百年後の話をしていふわけだから、
うまくくっつけて、おめでとうございますというわけにはいかない。
一つ一つの部材の精密さより、
合わせた全体が正確であることが大事。
・目と耳で学ぶことは急いだって出来る。
しかし、体で覚えるということはどんなにいそいだってだめ。やはり時間をかけなけれはできない。
いまは、頭の中ばっかり大事にしすぎだ。
知識偏重だ。
もっとからだのことも大事に考えなあかんよ。