心揺さぶる渾身のアイの叫び【旅のお供の一冊】

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旅路の途中や旅先で読書にふけるのも旅を充実させてくれるかけがえのない時間ですよね♪お気に入りの小説やビジネス書や写真集など好みはひとそれぞれ。あなたの読書の時間をきっとより良い時間に演出してくれるそんな一冊を紹介します。

◆Book Presenter

『i(アイ)』/西加奈子

「理解できなくても、愛し合うことは出来ると、僕は思う」
自分とは何か、自分を認めること、他人を認めることとは何か。内向していく少女の視点から描かれる葛藤。
自身と深く関わりのある人物たちとの交流の中から、もがきながらもその答えを見つけてゆく。
アイが存在して、ユウを認める。ユウが存在して、アイを認めてくれる。ーi , you , all
世界では毎日、沢山の人間が死んでいるのに、なぜ自分が生きているのだろう。なぜ自分は、生き残っているのだろう。なぜ、「選ばれなかった」のだろう。ーなぜ。
名前も知らない誰かを思う権利。世界の事象に胸を痛める権利。「選ばれなかった」、「生きている」私にそんなものがあるのだろうか。
選ばれたい。悲しむ権利が欲しい。でも、いざ「選ばれ」たときーー。
何かを想う権利。それは「愛」があるかどうかだ。性別も時代もルーツも思想も、全てを超えた「愛」で、人は繋がっている。